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『パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則』とRuby

Rubyコミュニティーの方々のプレゼンでたびたび紹介されていた本。やっと読了。 Ruby関連のイベントでこの本が紹介されるのは、XPの発展に貢献したメンバーがRubyのユーザーになって来ていることが原因らしい。 (SmalltalkとRubyの両方を使っている人が多い?)

パターン、Wiki、XP |gihyo.jp … 技術評論社 より引用 著者からの一言 筆者は当初Wikiの起源を調べようとしていました。WikiはWeb上のシステムなの で,Webが誕生した1991年より前にさかのぼることはないだろうと思っていたの ですが,もっと昔の思想と深い関係があることがわかりました。 Wikiの起源への道のりは,デザインパターンやXPの起源への道のりでもありま した。Wiki,デザインパターン,XPは,どれも一つの思想,建築家クリスト ファー・アレグザンダーのパターンランゲージを起源としています。さらにそ の背後には,建築,知の共有,ソフトウェア開発を貫く「時を超えた創造の原 則」がありました。 最終的には,1960年代に考え出された思想が源流となっていたことがわかりま した。こんなにも昔の思想が形を変えて現在に影響を与えていることに筆者は 驚きました。この驚きを伝えたいと思い,本書を書きました。

Wikiシステム[OldType]を実装する前に読んで起きたかった… Wikiにそんな起源が有るとは知らなかった。もし先に読んでたら、[OldType]はだいぶ違うデザインになっていたかも。

デザインパターンや、アジャイルに馴染みが有っても無くても、この本は一度は読んでおいて損はないと思う。 有名なかずあるデザインパターンの利用者という視点から、既存のデザインパターンはたんなるよく練られたテンプレートであり、自分でパターンを作って発展させるという視点もあるということを気づかせてくれる。

ほかにもいろいろあるけど、ブログで書評するにはなかなか難しい本です。 この本では言及されていないけど、Rubyの開発コミュニティにも何となく同じ思想が継承されている気がした。 例えば、Rubyコミッターの方がプレゼンで『Rubyにはえもいわれぬ楽しさがあるので、ぜひ参加してください』という言いかたを頻繁にされているけど、本書で登場する『無名の質』と関係ありそうな気がした。 『コミュニティーで言語を発展させるプロセスに皆さんも参加することで、住みやすい環境ができます。それに参加しないのはもったいないですよ』というような。 技術の本では無いのだけど、その根底に流れる思想の本として一度は読んで見てはいかが?

P.S.

後でこんなページ見つけた 『パターン、Wiki、XP』刊行トークセッション[パターン、Wiki、XP ―― 時を超えた創造の原則(WEB+DB PRESS plusシリーズ)]|gihyo.jp … 技術評論社