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[perl.TMTOWTDIの謎を探る]について

オリジナルは2002/05/10に書いた文書を[OldType]に移してリンク切れ等をメンテナンスした。 実は、このエントリはPerlの話かと思えば[Gauche]の話に終始している。Perl Loveの人はごめんなさい。

Larry Wallは深い

私は、2005年に[Sumibi.org]を開発したあたりから、Perlは使わなくなった。 久しぶりにこの文書を自分で読んでみたが、Larry Wall深いなーと思った。(この文書では多くのLarry Wallの文章の引用をしている) 特に、Larry Wallが現実が複雑(乱雑)だということに目をつぶるのではなく、むしろそれに対応した言語を設計することによって、現実を単純化することができるということを解ってやっているというところが凄い。その事を知らずにPerlのソースが汚いと言っている人は浅いのでご注意願いたい。

Perl的な、あまりにもPerl的な

[Gauche]の作者のShiroさんもおそらくその辺は意識的にも無意識的にも狙っているはずで、それは[Gauche]という名前にも表現されている。 Schemeという、本来は乱雑さを嫌う設計思想の素材を使って、現実の乱雑さにも対応できるツールの構築に挑戦されている。 Gaucheプログラミング(立読み版):Gaucheの設計思想や誕生の背景から引用させて頂く。 Scheme言語の設計思想の一つに”Right Thing”という考えがあります。物事を 実現するやり方として正しいやり方 をとるべきだ、という意味です。 (略) Schemeの設計思想は、言語を強化するために機能を追加していくのではなく、 後から機能追加が必要になるような 弱点を削っていくというものです。この 考えはまさに”Right Thing”(正しいやり方)に根ざしています。 Gaucheとはフランス語で”左”という意味です。つまり”Right”(右)に対する “Left”(左)です。

そんなに厳密に“正しく”やらなくても、実用に使えるならいいじゃん                                                                                    

といったところでしょうか。名前からも分かるように、Gaucheの設計思想には こうしたユーモアが隠れています。 このPerl的な設計思想の傾倒は、日常の仕事でのGaucheの使いやすさに直結していて、非常にうまく行っていると感じている。 PerlというかLarry Wallの影響力はやっぱり絶大なのだと再認識した日だった。