『大前研一のアントレプレナー育成講座』を読む
第3章の『アントレプレナー・マーケティング』- 事業の核心に迫る分析力 - が一番役に立ちそうです。 この章を書かれたのは株式会社ユニバースの小川政信さんという方です。 マーケティングを軽く見てはいけなくて、製品開発の全ての大元だということが分かります。マーケティングという言葉は市場調査やプロモーション活動だけというように狭義のマーケティングの意味で捉えられることが多いですが、それは間違いです。(コトラーの本にも繰り返し書かれています。) この本では、『顧客に取っての価値の見極め』の手法を細かく解説しています。 コトラーの本などを読んでもこのように具体的には書いていなかったと記憶しています。 顧客は何に価値を認めるのか?その価値にいくら対価を払うのか? へえ、そういうことができるのかと思った事としては、商品の魅力を様々な『要素』に分解して各要素がどれだけ魅力的なのか見極める方法があるということです。 この本ではその『コンジョイント分析』という手法をスターバックスコーヒーの日本展開を例にして解説されています。 さらには、この分析結果で、例えば『コーヒーの美味さ』が重要となった場合、そのコーヒーの美味さとは何かを無意識レベルまで知らないと意味のある仕事はできないと説いています。 また、アサヒスーパードライの成功事例では味覚が良いがうまいビールというわけでもないという形で紹介されています。
事業の核心に迫る分析力より これは消費者はうまいビールを求めていて、自分はうまさがわかると考えてい るが、実際には、消費者が評価するところのうまさは『新鮮さ』と『企業イメー ジ』であるということだ
後は価格政策やメッセージ伝達、営業力の話に続くのですが、どれもわかりやすいです。 この本はこの章だけでもオススメです。 このブログを読んでいらっしゃるであろうOSS開発者の方々はマーケティングなんか関係ないと思っている方もいらっしゃるでしょう。 しかし、OSSも認知度がプロジェクトの成否に関わると思っていますので、やっぱり知っておいて欲いです。 ちなみに、OSSでコンジョイント分析ってやった人いるんでしょうか。 このPart5が良かったので、Part4も読みはじめています。